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田中の部屋
肉を切らせて骨も断たれる ?

「肉を切らせて骨を断つ」

捨て身の戦法で相手を倒すことを表すこの言葉が、福田首相辞任のニュースを見たときに浮かんできた。

もちろん当事者ではないので憶測の域は超えないが、総選挙で自民が過半数を獲得するための福田首相の最終手段だったのでは、と私は考える。

内閣改造を行ってもあまり支持率が上がらなかった福田内閣のままで総選挙に突入してしまうと、自民が大敗することが目にみえていたのは事実。

福田首相が辞任 ⇒ 自民の総裁選でマスコミをにぎわせ世論が盛り上げる ⇒ 国民の中でも人気の高い麻生議員が首相に就任 ⇒ その勢いのまま総選挙に突入 ⇒ 自民が過半数を獲得。

というシナリオがみえている。 確かに、このシナリオ通りいく可能性はありえる。 まさしく、福田首相の捨て身の戦法、だなと私は思いました。

しかし、よく考えてみると、この戦法、いかに総選挙に勝つか、ということしか念頭にない。 そもそも、日本の政治は本当に大きな岐路に立たされている。世界を見渡しても、日本が頼りっぱなしの米国の世界への影響力低下、ロシアのグルジア進行、中国・インドの勃興、インド洋での給油活動の再開、原油価格の変動、北朝鮮対応、などなど重要かつ慎重な対応が必要な課題が多く、国内をみても教育の荒廃、うつ・自殺の急増、好景気期の終了など、対策急を要する課題が目白押しとなっている。

今こそ、子供が安心して暮らせるよりよい国づくりをするために何をなすべきかを、国民に対してしっかりとしめす良い機会なのに、そういったビジョンがまったく見えてこない。今回の総裁選をみていて空しくなるのは、私だけなのか。これだけ国民不在の政治をやらせておいて本当によいのだろうか。

ただし、もう一度よく考えないといけないことは、こういった政治家を選んでいるのは私たちである、ということ。政治家の不出来を嘆くよりも、私たち自身の未熟さを反省する必要もあると思う。私たち自身が、積極的によりよい国づくりに参画していく意識を高めていくことでしか、解決はみえてこないと思う。

とにかく、「肉を切らせて骨を断つ」の戦法は、一歩間違えば自分が死んでしまう、という危険な戦法でもある。

このままだと、「肉を切らせて骨も断たれる」ことになる可能性も十分ありそうだ。



投稿日時: 2008年9月9日 8:55 AM トラックバックURL

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