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田中の部屋
イキで素直にカッコよく

米国での2年間の滞在を終えて日本に帰ってきたときに、まず何よりも感動したのは食べ物だった。

やっぱり美味しい!(マクドナルドのハンバーガーさえ美味しく思えたくらい(^^))

そして、もう一つの驚き、というか居心地の良さを感じたのが、他人への配慮。たとえば、傘どおしですれ違う時に、傘をちょっとかわす心遣いや、電車の座席を譲る様子、駅や銀行の窓口でちゃんと並んで待っている様子など、まわりのことに配慮した行動がめにつき、改めて日本って住みやすいな、と感じた。

サッカーのワールドカップで、日本の観客がちゃんとゴミを集めて持って帰り、世界中を驚かせたことは記憶に新しいと思う。そういう、周りのこと、自分以外の人のことも考えた行動ができるのは、日本人の誇るべき特質だと思う。

その日本人の特質を上手くまとめたものに、”江戸しぐさ”なるものがある。 

先週の土曜日に、江戸しぐさの勉強会を行い、いろいろと学ぶことができた。

江戸しぐさは、一言でいうと、「イキで素直にカッコよく」 生きるための知恵。

江戸時代に全国の商人が集まり、300年以上前にもかかわらずいつのまにか100万人を超える大規模都市となった江戸において、多種多様な身分や出身の商人が、人間関係を円滑にしつつお互いがともに栄えることができるようなるための知恵として編み出されたものである。

江戸しぐさの具体例として、以下のようなものがある。

  • 傘かしげ…雨の日に互いの傘を外側に傾け、でぬれないようにすれ違うこと
  • 肩引き…道を歩いて、人とすれ違うとき左肩を路肩に寄せて歩くこと
  • 時泥棒…断りなく相手を訪問し、または、約束の時間に遅れるなどで相手の時間を奪うのは重い罪にあたる
  • うかつあやまり…たとえば相手に自分の足が踏まれたときに、「すみません、こちらがうかつでした」と自分が謝ることで、その場の雰囲気をよく保つこと。
  • こぶし腰浮かせ…乗合船などで後から来る人のためにこぶし一つ分腰を浮かせて席を作ること 

上記は、江戸しぐさのホンの一部であるが、江戸しぐさには、日頃の人と人のかかわりをより豊かにする知恵が満載である。こんな素晴らしい知恵を私たちの祖先はもっていたんだと思い、とてもうれしく思った。 (江戸しぐさについては、左記のNPO法人のHPでより詳しく学べる。 http://www.edoshigusa.org/

と同時に、私は、260年間も平和な時代を続け、今からは信じられないくらい循環型で共存共栄を実現していた江戸時代のことをほとんど知らなかったということを改めて感じた。

今、世界は同時経済不況に陥っているが、それだけでなく石油などの資源枯渇の問題、温暖化の問題、食糧問題(2025年には農業生産量が農業消費量を下回るといわれている)など、さまざまな問題が噴出している。

私を含めて多くの人が、これらの問題を解決していくには、これまでのような勝ち負けを前提とした資本主義の世の中から、循環型共存共栄の世の中へ変わっていく必要があると、感じていると思う。

そして、その循環型共存共栄の社会の一つの具体例が、私たち日本が生み出した江戸の社会といえる。

もっと、日本のこと、江戸のことを学んでみよう!

そうすれば、これから世界が進むべき道が見えてくるのかもしれない。



投稿日時: 2009年4月27日 10:11 PM トラックバックURL

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